ブロードウェイ・ミュージカル「レント」の来日公演
今日は久しぶりに夫とふたりでミュージカルを観てきました。
今回観に行ったのは、ブロードウェイ・ミュージカル「レント」の来日公演。ライブの演奏+パフォーマンスは、映画とはまた違った趣きがあり、劇場に行くだけでとても気分があがりました。
”Seasons of Love”
「レント」を観たことがなくても、”Seasons of Love”を耳にしたことがある人は多いのではないかと思います。
このミュージカル全体を流れるテーマは、“No day but today”つまり「今日という日は、今日しかない」というものです。
ミュージカルの制作者であるジョナサン・ラーソンは、オフ・ブロードウェイでのデビューの直前に35歳で急死しています。より正確には、前日の夜のリハーサルを終え、自宅に戻り、未明に息を引き取ったそうです。ミュージカルの制作に関わっていたルームメイトが、翌朝彼が死んでいるのを発見したのです。
一連の出来事についてはこちらのウェブサイトに書かれています。
まさに今夜、彼の作ったミュージカルが世に出るというその朝、彼の仲間たちは突然の別れとその対応に追われていました。
こういった背景もふまえてこのミュージカルを観ると、本当に今私たちが与えられた時間を無為に過ごしてはいけない、と思い知らされます。
Hamilton
2015年にオフ・ブロードウェイでデビューしたミュージカル “Hamilton”の制作者、リン=マニュエル・ミランダは、17歳のときに「レント」を劇場で観て衝撃を受けたそうです。
こちらのウェブサイトには、「レント」を観たことが、将来自分のコミュニティについてのミュージカルを作ろうと思うきっかけになったことが書かれています。彼のHamiltonも現代のミュージカル界には衝撃を与えた話題作ですが、20年前に「レント」が世に出たときにも同様のインパクトがあったようです。
「レント」がなかったらHamiltonは生まれていなかったのかも・・・と思うと、なおさら「レント」はミュージカル史上でも非常に重要な作品であったことがわかります。
“Give in to love, or live in fear”
印象的なフレーズがいくつもあるこのミュージカルは、2005年には映画にもなりました。
”No day but today”という曲の歌詞には、”Give in to love, or live in fear”という部分があります。ストーリーに出てくる色々なカップルのラブ・ストーリーでは、うまくいくものもあればいかないものもあり、またやっと手に入れた幸せもすぐになくなってしまいそうな焦燥感を感じるシーンもあります。
でも、過去に対する後悔や未来に対する不安で、身動きがとれなくなることのないよう、今は今しかないと背中を押してくれるようなメッセージが、この作品にはこめられています。何気なく過ぎていくかのように思える日常も決して当たり前ではないということを思い出させてもらい、いま一緒にいられる家族や友人との時間に感謝して生きようという思いを新たにしました。
映画バージョンも機会があったら観てみたいと思います。