現代版シャーロック・ホームズ
私の好きな海外ドラマのひとつに「Elementary」という、現代版シャーロック・ホームズのストーリーがあります。
日本では「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」というタイトルで放映しているこの作品。
ちなみにドラマのタイトルの「エレメンタリー」は、シャーロック・ホームズを初めて舞台で演じた俳優ウィリアム・ジレットの「Elementary, my dear Watson. (初歩的なことだよ、ワトソン君)」という有名な台詞から来ているそうです。
アメリカでは現在第6シーズンが放映されています。
ワトソンは女性という設定
この現代版では、ホームズとワトソンはニューヨークを舞台にし、ニューヨーク市警のコンサルタントとして事件を解決。また、ワトソンは女性、宿敵モリアーティも女性、そしてシャーロックの父親との確執など原作とは大きく異なる部分もたくさんあります。
私はこのシリーズを見始めた当初から、このドラマの強烈な魅力のひとつはホームズとワトソンの関係だと思っていました。といっても、恋愛映画やドラマにありがちな「あのふたりはくっつくのかどうか」という性質のものとは異なり、男女の仲ではないけれども、探偵という仕事を通して深い絆で結ばれていく過程がシーズンが進むにつれて描かれていきます。
ここから先は、最新シーズンを観ていない人にとってはネタバレになる可能性がありますので、先を知りたくない人は読まないでください(といっても、シリーズの本質とは直接関係のない部分だと思います)。
ふたりの絆の深さがわかる台詞
第6シーズンのエピソード13の最後に、こんなシーンがありました。
ワトソンは少し前から養子をもらおうと活動をしているのですが、同居している仕事のパートナーのシャーロックに対して「あなたに手伝ってもらおうとは思っていないから、プレッシャーに感じないでほしい」と伝えていました。
でも、彼は自分の性格上、関わらざるを得ないのだ(”I am not capable of not being involved.”)と説明します。
”I mean, I’d lay down my life for you. So if you succeed in adopting a child, I’d lay down my life for him or her. It’s as simple as that.”
”lay down my life for someone”は、辞書には「誰かのために命を捧げる」と書かれています。シーズン6までずっと見てきてきた私にとって、彼のこの言葉は自然なものとして響きました。
でも、それ以上に「もし君が養子を迎えることになったら、その子どものためにも命を捧げるだろう。それはシンプルなことだ」という台詞に、これこそがコミットメントだと感じました。
命を捧げるというのは少々ドラマチックな表現だとしても、自分の人生を、パートナーのおかれている状況に応じて調整していく、その覚悟があるということを示す頼もしい表現だと思います。