版権の確認と出版社探し
前編のブログ記事では、ハワイ在住時に”Attached”という本と出会い、その後日本に移住して「ぜひ翻訳してください」と言われ始めたところまで書きました。
翻訳プロジェクトを立ち上げるにあたり、最初にしたことは「版権があいているかどうかを確認する」ことでした。私の友人で国際結婚を専門にしたマッチメーキングサービスをされている松本直子さんが、著者のレバイン博士の講演に参加していたということで、彼女の紹介で著者とエージェントに連絡をとってみたところ「あいているので、ぜひ日本の出版社を紹介してください」とのこと。
そして、さらに別のお友達の紹介で出版社の人をご紹介いただき、「ぜひ企画書を送ってください」とのこと。この時点で初めてこの本についての企画書を作成しました。
ジョン・グレイ博士
ちなみに、この本の原書の表紙には、世界的ベストセラー「ベスト・パートナーになるために」の著者、ジョン・グレイ博士の推薦文が書かれており、彼自身とパートナーのエピソードも本編の中に登場します。
企画書を書く時には、この点をセールス・ポイントとして強調しました。
翻訳出版が実現したとき、そのタイミングでジョン・グレイ博士が来日するという機会があり、出版社のプレジデント社に「取材して記事を書くことはできないか」と提案したところ、それが実現して、博士にインタビューをさせていただきました。2本の記事はプレジデント・オンラインに掲載されています(こちらのページに記事のURLを載せています)。
この本は女性向け?男性向け?
企画書が編集会議にかけられる前に、取り次いでいただいていた編集者の方から「この本は女性向けか、それとも男女両方か」というご質問がありました。
原書の内容は男女どちらにとっても役に立つものなので、その旨をお伝えし、企画書を調整して再度提出。それから10日後に「社内で企画が通りました」とのご連絡がありました。版権があいていることを確認してから、出版社を見つけ、企画が通るまでがこのようにスムーズに進むことは、著書「国際結婚一年生」を出版したとき以来のことで、「ああ、この本は日本語になって世に出るべき本なのだ」と感じました。
過去にやってきたことが実を結んだ経験
出版社に企画を持ち込んだときに、今までにやった翻訳の実績を聞かれました。
実は、本をまるまる一冊、商業出版向けに訳したことはなかったのですが、以前にアメリカ人のブロガーが書いたマニフェストを友達とふたりで日本語訳して公開したことがあり、それをサンプルとして送ったのです。メッセージに共感して多くの人に読んでほしいと思い、友達とふたりでやった翻訳でしたが、それが今回このように役に立ったのは不思議な感じでした。
そしてひたすら翻訳作業にかかること数か月。一章ずつ編集者に読んでいただき、読みやすい日本語になることを心がけて作業をすすめてきました。実際に1冊の本になったものを手にしたときは本当に嬉しかったです。
出版から2年経ちますが、アマゾンなどでのレビューも概ね好意的で、おかげさまで紙の本は4刷になりました。電子書籍版も好調に売れているようです。特にアマゾンの「発達心理学」のカテゴリで上位5位に入っていることが多く、さらなるロングセラーを目指していきたいと思います。