シングルマザーの松井愛さん
松本愛さんというライターが書いた「シングルマザーが考察する『ワンオペ』と『日本の夫婦』の深い闇」という記事を読みました。
「大変ですね」と言われることの多いシングルマザーという状況。記事の前半には、「大変か?と言われると、まあ、楽ではない。」という始まりから、松本さんの一日のスケジュールが書かれています。今ではお子さんたちは5歳と小学3年生になり、立派な戦力となって松井さんを助けてくれるし、日々の家事は割とスムーズにまわっている、とも。でも、お子さんたちが小さい頃は本当に大変だったろうと想像できます。
ツーオペの破綻
シングルマザーならではのリスクについても触れられています。自分が病気になるとすべてがストップしてしまうので、健康管理には気を使っている松井さん。でも、その上で、「夫がいる妻のみなさんは、私と同等かそれ以上に家事や育児をしているのでは?」と投げかけています。
例えば家事だけにフォーカスした場合、大人がふたりいても一人が家事をほとんどしない家庭では、逆に家事の量は増えるでしょう。「大人一人多い分、食事の支度や洗濯の手間が増えるのは当たり前。それだけじゃなく、Yシャツのアイロンがけや、弁当作りなど、夫の世話といえるような家事まで行っているだろうことが容易に想像できる」と松井さん。
後半には、夫婦ふたりがいて本来なら「ツーオペ」になるはずがなぜ破綻するのか、ということが書かれています。簡単なことを頼んだら逆ギレされた、自分の洗濯物すらカゴにいれてくれない・・・などなど。
この2018年にあっても、いまだに「家事や育児は妻の仕事」という思いこみが夫側にある家庭が多いようなのです。
夫婦のパワーバランス
この記事で描かれる状況に、男の子ばかりの母親として私は「彼らを家事のできない大人にはしないし、チームとして貢献するのが当たり前だというメンタリティを育てよう」との決意を新たにしました。
また、もっとも印象に残った箇所は、前述のようにツーオペが破綻してしまった家庭で妻側が状況を改善しようと試みたときに起こることです。
もし妻側が強ければ、仕事のあともまっすぐ家に帰らないフラリーマンが誕生し、夫側が強い場合はモラハラやDVにもなりかねない、と松井さんは書いています。
これは非常に重要な指摘です。もちろん、落ち着いてきちんと話し合い、具体的な妥協案を打ち出すことができれば、このふたつのどちらかにならずに事態が改善するケースも多いでしょう。必要があればプロの助けを借りるのもひとつの手です。
でもそうでなかった場合、妻の側が一方的にあきらめ、我慢して家事と育児の大部分をひとりでやりつづけるのだとしたら、それは本人にとってはもちろんのこと、家族全体にとってもよくないことです。
これから結婚しようという人は、ぜひこの視点であらためて「このパートナーで大丈夫か」ということを見極めてもらいたいです。