”Families Belong Together”

アメリカで亡命希望者とその家族に起こっていること

ここ数週間、私のFacebookのタイムラインでは、アメリカで起こっている「移民問題」に関する投稿が数多く見られました。

移民に関する問題は今に始まったことではありませんが、今回は、自国に留まると生命を脅かされる危険があるためにアメリカに亡命を希望する人たち(英語では asylum seeker)であっても捕らえられ、親子が引き離されて別々の都市に送られてしまうという状況が起こっているのです。

その数は2000人とも言われ、子どもたちが収容されている施設の実態も明らかになっていません。

移民・難民の問題は、どの国にとっても一筋縄ではいきません。かくいう日本も、世界の中でもっとも”閉じられた”国と言われています。でも、今アメリカで行われていることは、家族をバラバラにし、今後も長い間にわたって再会できないかもしれないという悲劇を積極的に生み出そうとしているかのようで、控えめに言って非人道的です。

愛着障害を起こす環境

既に多くの専門家が、「親が安全なのかどうかもわからない、いつ会えるのかわからないという状況に子どもたちを置くことが、どのような心理的なダメージを引き起こすか」ということを指摘しています。

私が翻訳した「異性の心を上手に透視する方法」はアタッチメント(愛着)理論がテーマでしたが、翻訳の際に参考にした書籍「愛着障害」などから、幼少期にひとりの大人と深いつながりを築くことが大事であることを学びました。ルーマニアの孤児院などでの研究から、たとえ物理的な身の回りのケアする人がいたとしても、ある特定の人との絆を結ぶことがなければ、愛着を形成することができないということがわかっています。

メディアから漏れ聞こえるわずかな情報からは、そうした子どもの心に配慮した対応はとうてい望めないような印象を受けます。

たとえ短期間だとしても、この経験は子どもたちの心に大きなトラウマとなって残るでしょうし、もし愛着障害をおこしてしまったら、大人になってからの恋愛関係にも大きく影響してくるでしょう。

6月20日は世界難民の日

日に日に高まる批判に答える形で「大統領令」にサインがされたというニュースを目にしました。今後、国境を超えようとする人たちに関しては親子を引き離すことはしない、という趣旨のようです。でも、今すでに別々に収容されている家族についてはどうなるのかは不明確なままです。

その状況をなんとかしようと、全米、そして世界中から、人権団体や難民支援の団体に対する寄付が集まっています。こちらの記事では、シリコンバレーのカップルが立ち上げた寄付活動に、日本円にして15億円を超える額が寄せられたと書かれています。このカップルにも2歳の子どもがいて、ニュースに心を痛め、最初は「ひとりでも救えたら」と1500ドルを目標金額に設定していたら、あれよあれよという間にFacebookで拡散され、大きなムーブメントになったのです。

これらの資金をもとに、弁護士たちが中心となって、拘留されている人たちをひとりひとり釈放させ、子どもたちを探し出し再会させるというプロセスがあります。まだまだ解決からはほど遠い状況が続きます。

そんな中、前大統領のオバマ氏のFacebookの投稿が目に飛び込んできました。

”Today is World Refugee Day” (今日は世界難民の日です)という言葉から始まる文章で、アメリカが移民の国であること、アメリカ人は法律を遵守しながらも、他人を大切に扱うという価値を両立できるくらい賢くて懐の深い国民であるはずだということ、全ての人は平等で、誰にでもチャンスが与えられるべきという理想に対するコミットメントこそがアメリカをアメリカたらしめる信条だ・・・と述べられています。

Today is World Refugee Day. If you've been fortunate enough to have been born in America, imagine for a moment if…

Barack Obamaさんの投稿 2018年6月20日水曜日

最後にこう書かれています。

But we have to do more than say “this isn’t who we are.” We have to prove it – through our policies, our laws, our actions, and our votes.

「私たちはこんなことに賛成しない」というだけでは足りない。私たちが作る政策や法律、私たちがとる行動、そして投票によって、それを証明しなければならない。

11月の中間選挙を前に「これからのアメリカをどんな国にしたいのか」ということを考えて行動してほしいという、前大統領からのメッセージだと受け取りました。

私にはアメリカの投票権はありませんが、家族はアメリカ人ですし、子どもたちの将来にもかかわることです。何よりも、ひとりの親として、何千もの引き離された家族が無事に再会できるように、今後の動向も注視していきます。

*私も参加した寄付キャンペーンはこちらです。

 

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