”Would you rather be…?”
英語で”Would you rather be right or would you rather be happy?”という言い回しがあります。
例えば、こちらの記事では、常に「自分が正しい」という態度でいる人の心の奥底には「バカにされたくない」とか「自分が間違っているかもしれない」という恐れや思い込みがあり、それを隠すための言動であることとが多い、ということが指摘されています。
こうした恐れや思い込みは幼少期の体験から来ていることもあるのですが、多くの人はこのことには無自覚なまま大人になっています。
常に「正しくあること」に執着しているとき、周りの人がもっているどんなアイディアや助言も「間違っている」ことになり、たとえ言葉にしなくても、その気持ちは態度に現れ、パートナーや子どもたちにとってはネガティブな影響を与えます。
子どもが「あなたは間違っている」というメッセージを常に受け取ると、自己肯定感も低くなるし、自分の価値を信じられなくなってしまうことも。「常に自分が正しいと感じたい」というニーズについて、光をあててみることはとても大切です。
「正しさ」へのこだわりを手放すこと
前述の記事には、常に正しくないと気が済まない夫と、その妻がカウンセリングを受けたときの様子が書かれています。
ふたりだけで解決できない喧嘩になり、カップルが教会の牧師さんに相談することにしたとき、夫は「自分が正しいと言われるはずだ」と確信していたそうです。
でも、期待は外れ、牧師はどちらかの味方をすることはせずに、夫にシンプルに冒頭の質問をしました。
“Would you rather be right, or would you rather be happy?”
(正しくあることと、ハッピーになるのではどちらが大切ですか?)
常に自分が正しいということに固執することは、周りをコントロールしようとすることでもあります。
その結果、一番大切なはずの人との関係にダメージを与えてしまうことにもなりかねません。
私がサンディエゴに住んでいたときによく週末のワークショップに出ていましたが、そこではこのフレーズをもじって
”Would you rather be right or would you rather be close?”
という言葉が使われていました。リレーションシップにおいて「正しいこと」より大切なのは、相手と親密な関係を築くことではないか、という問いかけです。
パートナーに、自分の視点を理解してほしい、自分を認め、受け入れてほしいというニーズからの「正しさへの執着」なのであれば、それをまず自覚することで、また違ったアプローチができるし、そのほうが本当に欲しいものも手に入りやすくなるでしょう。