「奇跡のレッスン」のバーヨーク・リーさん
この夏、NHKの「奇跡のレッスン」という番組のミュージカル編が放映されました。
日本の高校生にミュージカルのレッスンを教えるのはバーヨーク・リーさん。中国系アメリカ人で、5歳から舞台に立っているという超ベテランのブロードウェイキャリアの持ち主です。
150センチもない身長、しかもアジア系アメリカ人ということで、ブロードウェイで配役をもらうまでには大変な苦労もあったそうです。
70歳を超える今でも、現役のミュージカル女優・演出家・振付師として活躍されています。
番組は3回にわたるスペシャル編で、一週間のレッスンを大船高校の子どもたちが「コーラスライン」の一場面を演じるようになるまでを追っていました。
「コーラスライン」の来日上映
7年ぶりにミュージカル「コーラスライン」が来日上映するということを聞き、このミュージカルに半生を捧げてきた彼女のレッスンの番組が再放送されていたのかな・・・と思っていました。
コーラスラインへの思いを語るバーヨークさん↓
そうしたら、長男の所属するシアターグループのメンバーのために特別ワークショップを行うというお知らせが。そして、今日が待ちに待った特別レッスンの日でした。
観覧希望の保護者は会場の後ろのほうで待機。子どもたちもそわそわしつつ待っていると、バーヨークさんが現れました。「奇跡のレッスン」で観たのと同じようにフレンドリーな笑顔と日本語での挨拶をした彼女は、小柄ながらパワーにみちた存在感がありました。
バーヨークさんのメッセージ
レッスン全体で90分という比較的短い時間でしたが、「奇跡のレッスン」で観ていたように、ブロードウェイ式のウォームアップに多くの時間を費やしていました。午前中には同じシアターグループの中高生にもレッスンをしていましたが、バーヨークさんは、疲れも、そして70代という年齢も感じさせないパワフルで機敏な動きをしていて、子どもたちも観覧していた保護者たちも圧倒されていました。
ピアノの生演奏にあわせたウォームアップは、本格的にやると90分はかかるそうです。
その後「コーラスライン」曲の一部を使って振り付けをし、子どもたちと一緒に何度も繰り返して踊っていました。
最後に少しだけ質疑応答の時間があり、「今観るべきミュージカルは?」と聞かれたリーさん。もちろん「コーラスライン」も観てほしいけど、と言いながら、「”Hamilton”がいいわ、おすすめ!」と言っていました。
「ミュージカル『コーラスライン』はあなたにとってどんな存在ですか?」と聞かれると、このミュージカルに半生を捧げてきたから、もう自分のDNAの一部のように感じる、と語っていました。
こちらの彼女のインタビュー記事からも、この作品に対する深い思い入れが伝わってきます。
バーヨークさんは、子どもたちに「人と比べてはいけない。それぞれが自分の目指す最上の高見を目指してベストを尽くしなさい」と伝えていました。
一日たった今日、普段からダンスで鍛えているはずの子どもたちはみんな筋肉痛だそうです。でも、ブロードウェイの伝説的存在の彼女からレッスンをしてもらえる、またとない貴重な機会に、心にもよい刺激を受けたのではないかと思います。