World Mental Health Day
毎年10月10日は”World Mental Health Day”(世界メンタルヘルス・デー)です。
メンタルヘルスそれ自体は「心の病気」ではなく、「心の健康状態」を問う言葉で、メンタル(ヘルス)が不調であるといえば、たとえばうつになったり、診断がつくほどではなくても気分が落ち込みがちだとか、元気ではない状態が続くということを意味します。
日本でもうつ病というテーマで本やコミックエッセイなどが出版されたりしていますし、会話の中でも身近な人がうつであることを耳にする機会も増えてきました。カウンセリングやセラピーを受けることも少しずつ「普通のこと」になってきてはいるようです。
世界的にみても、年間で子どもは10人にひとり、そして大人は4人にひとりの割合でメンタルに何らかの不調があり、当事者の家族や友人も含めれば多くの人に影響があります。
話したがらない男性
”Men won’t talk about mental health and it’s literally killing them”という記事では女性と比較して男性はメンタルが不調であることについて話したがらず、また男性のほうが女性よりも自殺しやすいということが書かれています。
オーストラリアでは自殺の試みをする人の75%は男性。この数字はアメリカでは78%にもなるそうです。
この記事は、メンタルの不調について話すことは「弱みを見せること」という男性の思い込みが高い自殺率に結びついているという仮説のもと、どうしたら男性が気軽に相談できるようになるのか?というテーマで書かれていました。
ここ数日、LINE@でご相談を受けていましたが、パートナーとトラブルを抱えていても、男性はカウンセリングやコーチングを受けたくないと感じている人が多いことが伺えます。
アプリが一助になるかどうか
統計的によりリスクが高い男性は、お酒や違法薬物に手を出してしまいやすいことは納得がいきます。
この状況を改善するために、スマートフォンやウェアラブルのアプリで自分のメンタルの健康状態をチェックするという方法について書かれています。
男性が多いタイプの職業(消防士やトラックの運転手など)では睡眠不足になったり、仕事で長期間、家族と離れなければならないなど、メンタルに不調をきたしやすい状況があり、彼らにこうしたアプリを使ってもらって効果を測定しているそうです。
第3者に自己開示をしにくいという特性があっても、まずは自分で自分の健康状態を把握することは必要なステップでしょう。あるリサーチでは73%の男性は、自分のメンタルが不調であることに気がついていないとも書かれています。
ある企業では、従業員の健康状態を把握するために、睡眠時間などを把握するウェアラブルを支給してデータを集めるなどの試みがあるそうです。そういえば、日本でも最近「6時間以上の睡眠でポイントがもらえる」など、きちんと寝ることを奨励するポリシーを打ち出した会社がありました。
「結婚している人のほうが長生きする」という統計はアメリカではよく知られていますが、メンタルヘルスという観点から言っても、パートナーが十分な睡眠時間をとっているか、言動に変わったことはないかを気づく人がいることで、リスクを早めに発見して対策を講じることができるからなのでしょう。
家族や友人と一緒に住んでいる人は、体の健康だけでなく心の健康もお互いに気にし合う関係であることを意識することも、ひとつの方法なのではないでしょうか。