家族一緒のバケーション
ここ数年、夏休みとなると子どもたちのそれぞれのアクティビティがあったり、また夫が働きながら大学院のプログラムをやっていたりで、みんな揃って休める時がなく、文字通りどこにもいかない夏が続いていました。
でも、今年は予定を確認したところ、奇跡的にみんなのスケジュールがあって、ちょっとした家族旅行をする機会がありました。
私の両親も交えての7人でのバケーション。たった2日間でしたが、子どもたちにとっては初めての体験も多くて、とても印象に残ったようです。
短くても、近場でも
こうした家族でのバケーションが、子どもの脳によい影響を与えるということは、あるリサーチによっても実証されています。
“It’s Science : Vacations make your kids happy long after they’re over”
という記事によると、家族で旅行に行くことは、家族みんなの絆を深めるだけでなく、休暇のポジティブな思い出はその後の人生においても「ハッピー・アンカー」として機能すると書かれています。「アンカー」とは船を港に停めておくときに使われる錨(いかり)のこと。この場合は「よりどころ」という意味に使われています。
将来にわたり、困難なものごとにぶつかったときにも、家族で楽しい時を過ごした幸せな思い出をよりどころとして、そこから力を得てチャレンジに立ち向かおうという気持ちになれる・・・と書かれています。
また、新しい体験をすることで脳のシナプスがつながったり、オキシトシンやドーパミンなどのホルモンが分泌されるそうです。
子どもに「モノ」を与えるのか、旅行に連れていくのかという二者択一だった場合には、その効用がどれだけ長続きするかという点においてこのふたつは比較にならない、とも書かれています。
楽なことばかりではないけれど、行う価値のあること
家族で旅行に行くとなると、事前の準備や後片付けはもちろん、旅行中にも普段のルーチンとは違う出来事が起こったり、家族の人数が多いとそれぞれの希望の調整が必要になったりと、作業が増える部分があることも確かです。
ずっと顔をあわせていることで、子どもの年齢によっては喧嘩も頻繁になりますし、母親の立場でいうと「必ずしも楽とは言えない」という側面ももちろんあります。
でも、無事に旅程を終えて家に帰ってきて、子どもたちと何が楽しかったか、印象に残っているか、という話をしていると、やはりこれは時間やお金、エネルギーというリソースをかけても、やるべき意義があることなのだという思いを新たにするのでした。
家族みんなで一緒に旅行できるのも、子どもがある年齢になるまでの、ほんの短い期間です。これを当たり前と思わずに、ひとつひとつの思い出を大事にしていきたいなと感じました。