コフィ・アナン元国連事務総長
私が国連で働き始めたのは1998年の9月でした。ドイツのボンにある国連ボランティア計画(United Nations Volunteers)の本部には、当時の国連の事務総長だったコフィ・アナン氏の写真が飾られていたのを覚えています。
私はJPO派遣制度という日本の外務省の試験を受けて国連に入ったので、そのトレーニングの一環として勤務を始めてから数か月後にニューヨークで3週間ほど滞在し、国連本部に訪れる機会もありました。
残念ながらアナン事務総長を直接目にすることはなかったのですが、職場でもメディアでもよく目にする「なじみの顔」だったのです。
そのコフィ・アナン氏が亡くなったというニュースを聞き、一時代が終わったような気がしています。
国連の力
アナン氏の死に際して、彼が国連の事務総長だった10年を振り返るCNNニュースをシェアします。
アメリカのイラク2001年に起きた「9.11」のあとにノーベル平和賞を受賞したこと、2003年のアメリカのイラク侵攻を止められなかったこと、そこで彼自身の友人たちが亡くなったこと…
国連の事務総長といっても、ひとりで何か大きなことを決められるほどの権力があるわけではなく、そのキャリアは常に多くの国のリーダーに語りかけ、対話を通した交渉をすることの連続だったでしょう。
その肩書からイメージするほどの責任と現実のギャップに悩んだことも多かったのではないかと想像します。
現在のトランプ政権下ではアメリカと国連の関係も微妙な感じになってきています。一国が暴走しないように歯止めの役割をするだけの力がまだ国連に残っていることを祈りつつ、オバマ大統領の追悼の投稿をシェアします。
このふたりは、これから国際協力の場で働きたいと思う人にとって、多くの学ぶべきことを残してくれた存在なのではないかと思います。
Kofi Annan was a diplomat and humanitarian who embodied the mission of the United Nations like few others. His…