Commitment=ダンコたる決意
以前、コミットメントについて友人と語り合っていたときのことです。
英語の”Commitment”は、ライザップの宣伝文句「結果にコミット」というフレーズで日本語としても定着していったような気がしますが、うまい日本語がないかな~と探していて思いついたのが、漫画「スラムダンク」の一コマ。
湘北高校のバスケチームを率いる安西先生が、神奈川県インターハイの予選決勝リーグで対戦する相手を前に、選手たちに「もはや何が起きようと揺らぐことのない、断固たる決意が必要なんだ!」と語りかけました。
漫画の主人公である桜木花道も、試合が始まって戦っているうちにこの「ダンコたる決意」なるものを理解していくのですが、これこそ「コミットメント」。「約束」とか「目標」よりも強い、万難を排して、あるいは石にかじりついてでも踏みとどまって頑張りぬくという決意のことです。
この関係は本気のもの?
アメリカでは、ふたりの関係が本気のものであるかどうか?という会話をするときに、コミットメントの有無という議論をすることもよくあります。コミットメントがない=まだそこまで本気ではない、もしくはお試し感覚というニュアンスに解釈されることも。コミットメント恐怖症という言葉さえあります。
この「コミットメント」を説明するとき、私がいつも引き合いに出す映画は”Fireproof”。結婚何年目かで気持ちがすれ違ってしまった夫婦の危機と再生を描いたものです。
脚本や演技がとてもベタなところがあったり、随所にキリスト教の言及があって抵抗がある人もいるかもしれませんが、夫婦とは?結婚とは?ということを考える上ではとてもいい教材だと思います。
映画のテーマソング”Love is not a fight”の冒頭にもこんな箇所があります。
Love is not a place to come and go as we please
It’s a house we enter in, then commit to never leave
「愛」とは、心のおもむくままに出たり入ったりせず、一度入ったらもう二度と出て行かない「家」だ
こう聞くと、何か強制されているようで尻込みする気持ちになるかもしれませんが、クリスチャン式の結婚式で、誓っている言葉の内容はまさにこれなのですよね。
自分にとっての結婚とは?
最終的に結婚生活がうまくいったのかどうか?は結果でしかありませんが、私にとっての結婚とは、お互いに「全力を尽くす関係」です。
結婚という道を選ぶパートナーには、この点についての共通理解をぜひ求めたいところだなぁと思います。
その共通理解がない相手とは、喧嘩のたびに「離婚だ!」と言い合うことにもなりかねません。しかも、この場合に持ち出される「離婚」という言葉は往々にして、相手を脅し、動揺させ、コントロールする目的で発せられるもの。発したその言葉を全うしようと言う意思…それこそ、その言葉に対するコミットメントもきっとないことが多いでしょう。
その行動しかとれないような仕組み
コミットメントの定義として「その行動しかとれないようにするような実効性のある仕組みをつくること」というのを見かけたことがあります。
私にとってのコミットメントもまさにこれ。気持ちがすれ違ってきたかも?と思ったら、手遅れにならないうちに改善を試みる、話をする、ふたりの時間を増やす、必要があればカウンセリングを受ける・・・こういったことも、私にとってはコミットメントがあるからこその行動です。
アメリカ人も大好きな自己啓発の言葉のひとつに
If you are interested, you’ll do what’s convenient.
If you are committed, you’ll do what it takes.
というものがあります。
自分がやりたいことや目標とすることに対して、ただ単に「興味がある」程度だったら、目標達成のために都合のよいことは行うだろう。でもコミットしたことに対してなら、どんなことでもやるはずだ、という意味合いです。
Are you interested?
Or are you committed?
こちらの記事でご紹介した「結婚するという強い意志のある人だけが結婚する」という言葉にもありましたが、「いい人がいたら結婚したい」は”interested”で、「絶対に結婚する」は”committed”な態度だと言えるかもしれません。
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